ニュース内容
東京・銀座のホテルで、テレビ番組の制作に関わる業界人を装って女性に声をかけ、乱暴したなどとして、警視庁築地署は6日、東京都江戸川区西葛西、会社員井田一也容疑者(55)を強制性交と恐喝容疑で逮捕した。
2020/02/06 15:23 読売新聞
発表によると、井田容疑者は昨年4月15日夜、中央区銀座のホテルのロビーで、民放テレビのバラエティー番組の関係者を装って「テレビに興味ありますか」と30歳代の女性に声をかけ、ホテル内のトイレに連れ込んだ上、「僕は暴力団もしているから」などと脅して乱暴。さらに、女性を近くのコンビニ店に連れて行き、現金自動預け払い機(ATM)で現金を下ろさせて15万円を脅し取った疑い。
井田容疑者はテレビとは関係のない会社の社員だったという。調べに、「間違いない」と容疑を認めている。築地署は女性から被害の届け出を受け、付近の防犯カメラ映像などから井田容疑者を特定した。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、「僕は暴力団もしているから」などと脅して乱暴し、さらに15万円を脅し取った疑いで、強制性交罪と恐喝罪の被疑者として逮捕されています。
この点、暴力団やヤクザ、極道であるとの脅し文句は恐喝や脅迫の常套手段です。
一般に存在自体が怖いものと認識されているからです。
くわえて普通の人はその実態を知らないことが通常であるがゆえに、適当なことを言ったとしても虚偽と見抜かれにくく、怖がらせやすいという点も挙げられます。
また今回の事件は、銀座のホテルのロビーで、民放テレビのバラエティー番組の関係者を装って「テレビに興味ありますか」と声をかけるところから始まっています。
このようにテレビ業界や芸能・音楽業界の関係者を装う手口は、恐喝・脅迫に限らず詐欺など様々な犯罪に用いられることが多く見受けられます。
その理由としては、テレビや芸能・音楽業界に憧れを持っている人が少なからずいてることから、犯罪者としてはその感情を利用することで犯罪行為を行いやすいからです。
あわせて上記の暴力団と同様、普通の人はその業界事情を知らないことが通常であるがゆえに、適当なことを言ったとしても虚偽と見抜かれにくいことも理由の1つと言えるでしょう。
なお、声をかけた場所が銀座のホテルのロビーであったことも、テレビ番組の制作に関わる業界人と思わせるためだったと考えられます。
銀座は日本でトップクラスの高級な街であると認識されていますし、テレビの業界人であればその銀座のホテルにいてもおかしくはないと考えることを見越しているのです。
最後に恐喝被害に遭った際には、自力で解決しようとせず遠慮なく当事務所にご相談ください。