【2020年最新版】盗撮ハンターとは!?ニュースをもとに弁護士が徹底解説!!

ニュース内容

「盗撮ハンター」首都圏の駅で横行か 犯行見つけ金品要求

盗撮行為をしている人物を見つけ、金品を脅し取る手口が首都圏の駅などで相次いでいる。「盗撮ハンター」と呼ばれるグループで、男が警察官さながらに盗撮犯を現場で確保し、女が被害者になりすまして示談金を要求するなど、巧妙に役割分担して犯行に及んでいる。脅された人は恐喝と気づいても、後ろめたさから事件を相談できず、被害が表面化しにくい傾向もあり、警察は警戒を強めている。(松崎翼)

■警察官さながら

「今、盗撮したよね」。5月12日昼。新型コロナウイルスの影響で閑散とした池袋駅(東京都豊島区)構内の階段で男が声をあげ、男性の右腕をがっしりとつかんだ。男性はこの時、女性のスカートの内側をデジタルカメラで盗撮。男性を取り押さえたマスク姿の男は、野原大輔被告(30)=恐喝未遂罪で起訴=だった。

「係員が来るので、そこで待ってて」。野原被告は突然の出来事に戸惑う被害者の女性にも優しく声をかけた。堂々とした振る舞いに、男性は本物の警察官だと思い込んでしまった。

「お前撮ったんだろ。話聞こうか」。言葉を畳みかける野原被告。改札を出た2人が近くの公園に向かうと、別の男もついてきた。

「今、被害者とつなぐから」。野原被告から男性がスマートフォンを受け取ると、通話相手の女が問いかける。「いくら持ってるの」「罰金100万円ぐらいだから、示談するならそれぐらいかな」。被害者を装った共犯だった。動揺する男性は、このとき、野原被告らが警察官ではないらしいことに気づいた。

それでも、事を収めたい男性は示談に応じる。「これだけしかありません」。現金6万7千円を手渡そうとしたところで、警視庁池袋署員が偶然、近くを通りかかった。「薬物取引ではないか」。怪しんだ署員が近づくと、3人は一目散に逃走。野原被告は取り押さえられ恐喝未遂容疑で逮捕、男性も確保された。

■発覚は氷山の一角?

標的となった男性は、都迷惑防止条例違反容疑で書類送検された。調べに「盗撮したので捕まりたくなかった」と供述。一方、池袋署は5月に池袋駅周辺で発生した同じ手口の恐喝未遂事件にも関与したとして野原被告を再逮捕。6月27日には、野原被告の仲間とみられる飯塚毅容疑者(50)も恐喝未遂容疑で逮捕した。

正義を盾に、金を脅し取る手口。盗撮犯の負い目につけこむ盗撮ハンターの犯行は表面化しにくい。池袋駅を舞台とした同様の事件は平成30年5月~6月にも連続発生し、容疑者が逮捕されている。警視庁などは被害の拡大に警戒を強める。

捜査幹部は「警察が把握できていない被害も多いはず。池袋だけでなく、他の繁華街にもハンターがいるのだろう」と懸念し、「盗撮をする者がいればハンターも生まれる。盗撮行為そのものの抑止につなげていきたい」と力を込めた。

2020.7.9 19:07 産経新聞

盗撮ハンターとは!?

今回のニュースは、首都圏の駅などでいわゆる「盗撮ハンター」による恐喝被害が相次いでいるというものです。

「盗撮ハンター」とは、盗撮行為者に対し、被害者の関係者を装って示談金や慰謝料などの名目で金銭を脅し取ったり騙し取ったりする人たちのことをいい、盗撮ハンターの行為は恐喝罪や詐欺罪に該当する犯罪行為です。

そこで今回は「盗撮ハンター」の具体的な手口や対策について弁護士が解説したいと思います。

盗撮ハンターの具体的な手口

まず盗撮ハンターは、1人ではなくグループで犯行を行っていることがほとんどです。
のちに盗撮行為者を問い詰める際に、人数による威嚇および逃亡されることを防止するためです。

また盗撮の被害者となる女性も、実は盗撮ハンターのグループという場合もあります。
盗撮の被害者となる女性も仲間に引き入れる方が、盗撮行為者を型にはめやすいからです。

そして都会の大きな駅やショッピングモール、本屋など盗撮が行われやすい場所で盗撮をしそうな人間を物色しています。
この点、大きな駅やショッピングモールで盗撮が行われやすいのは、エスカレーターや階段が多いところにあります。
一方、本屋は立ち読みに集中している人が多く、盗撮が気づかれにくいところです。

そこで、いざ盗撮行為者を見つけると、さも私服の警察官のような振る舞いで声をかけてきます。
盗撮現場が混雑しており、大きな騒ぎになりかねない場合は、声をかけやすい場所に移動するまで盗撮行為者を尾行するケースもあります。

それから人気の少ない場所に誘導し、警察関係の者であるとか被害者の夫や彼氏であるとかを名乗り、警察に連行や通報せざるを得ない旨を述べてきます。
もっとも、実際には警察に連行や通報する気はないので、同時に盗撮の被害者と電話で連絡を取り合っているかのように見せかけます。

その後、被害者が、示談金や慰謝料などの名目で「金銭を支払うのであれば刑事事件化はしない」と言っていると伝えてきます。
これに盗撮行為者が応じるとなると、そのまま銀行やコンビニのATMで出金させたり、場合によっては消費者金融でお金を借りさせて、金銭を回収します。

なお、盗撮行為者の情報、具体的には、氏名・住所・携帯番号などの個人情報のほか、会社の名刺や免許証なども確認し、盗撮していたデータも証拠として、これらすべてを盗撮ハンターは提出させることが通例です。
すべてを握っていることで警察に駆け込まれることを牽制するとともに、金を持っていると感じた盗撮行為者に対してはのちに追加請求する際の材料とするためです。

以上のように、警察沙汰や刑事事件化をおそれる盗撮行為者から、金銭を脅し取ったり騙し取ったりするのが盗撮ハンターの手口です。

盗撮ハンター被害に遭わない対策

盗撮ハンター被害に遭わない対策としては、そもそも盗撮自体を絶対に行わないということにつきます。

魔がさしたり出来心であったりとあるかもしれませんが、盗撮は各都道府県の迷惑防止条例で刑罰が定められている立派な犯罪行為です。
盗撮ハンター被害に遭わずとも、被害者や警備員などに見つかり警察沙汰となれば、刑事事件化はもちろん、家族や仕事を失うことにもなりかねません。

そして、もし盗撮を行ってしまい、盗撮ハンターに遭遇した場合には、その場で自ら警察に通報しましょう。

盗撮ハンターの行為は前述のとおり詐欺罪や恐喝罪に該当し得る行為ですので、警察に通報されれば盗撮ハンターは逃げる手段しかないからです。

一方で、自ら警察に通報することは、盗撮行為を自白・自首することにはなりますが、そのことが考慮される結果、処分が軽くなる可能性は十分にありえます。

最後に、盗撮ハンターをはじめ恐喝被害でお悩み・お困りの方は、自らで解決しようとせず遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。